🌟特別編!オーストリアのクリスマス
Share
12月に入り、だいぶ冷え込みが厳しくなってきました。3週間もするとクリスマスを迎えますが、皆さんはどんな準備をされているでしょうか。国が違えば文化も異なるため、それぞれお祝いの仕方にも特徴があるのではないかと思います。今日は日本から遠く離れたオーストリアのクリスマスに向けた準備と過ごし方についてお話ししてみたいと思います。
オーストリアのクリスマス
オーストリアは古くからキリスト教の文化が根付いた国で、毎年12月24日の夜から25日にかけて盛大に家族でクリスマスをお祝いします。そのための準備は念入りで、12月に入るとクッキーづくりやクリスマスツリーの販売が始まります。
クリスマスツリーとなるモミの木は、街の各地でこのように並べられ、形や大きさによって値段が決められます。木々の横を通り過ぎるとほんのりモミの香りが漂ってくるのですが、小さい頃にクリスマスを家族でお祝いした記憶が戻ってきてとても温かい気持ちになるのです。現在でも子供のいる家庭では本物のモミの木を購入することが多く、お父さんがモミの木を担いで家まで帰る光景も度々見られます。
クリスマスになると家族を始め多くの親戚や友人が訪問するた、各家庭で様々な種類のクリスマスクッキーを作ります。
昨年12月のスパイスを使ったレシピでご紹介した三日月形のバニラキップフェル(Vanillekipferl)はとても有名で、どこの家庭でも必ず作ります。ものによっては1か月以上もつため、缶の箱に入れて常温、または涼しい部屋に置いておきます。
来客がある時や、夕ご飯の後に家族で甘いものをつまむ時にクッキー用のお皿に乗せて出します。レシピにより風味が少しずつ異なるため、いろんなお家をお邪魔して同じクッキーを食べるのも楽しみの1つです。
クリスマスは寒い季節のイベントでもあるため、シナモン、アニス、カルダモン、ジンジャー等いろいろなスパイスを使った飲み物がよく飲まれます。
クリスマスマーケットでは必ず飲むことができるのが、プンシュ(Punsch)とグリューワイン(Glühwein)です。どちらもワインやラム酒をベースに、果物、スパイスがコトコトと煮詰められたものです。家庭でも簡単に作ることができますが、寒いマーケットの醍醐味でもあります。イェーガーテー(Jägertee)という紅茶とラム酒で作られる飲み物も有名です。
クリスマスを楽しみに待つ気持ちは大人になっても変わらないものです。12月24日までの4週間は、毎週日曜日にアドベントクランツ(リース)のロウソクをともしてクリスマスを待ちます。
第1日曜日に1本目、第2日曜日に1本目と2本目、というふうに数が増えていきます。子供たちはアドベントカレンダーといって12月1日から24日まで小窓のついたカレンダーをもらいます。中にはチョコレートやキャンディーなどのお菓子が入っているものやおもちゃの入っているもの、またソネントアのようにハーブティーが入ったアドベントカレンダーティーもあります。そして4本目のロウソクがともり、24日の小窓が開くと遂にクリスマスです。
クリスマスツリーは親子で飾り付けをし、ロウソクにの明かりの中で歌を歌ったりプレゼントが渡されたりします。オーストリア(中央ヨーロッパ)ではサンタクロースではなく、クリストキント(Christkind)という天使がプレゼントを持ってくるのも特徴的です。見てしまうといなくなってしまうため、子供たちは別の部屋で待ちます。
クリスマスの食事は各家庭で異なりますが、24日の夜は家族でパンにハム、スモークサーモン、チーズといった軽いものを食べ、25日に親戚とお肉料理などの大きなものを楽しむこともあります。どこのお家も料理をするお母さんは大忙しと言った感じですが、年に1度家族が集まる大切な日でもあるためとても大切にされています。
いかがでしたでしょうか。日本とは少し雰囲気の違ったクリスマスをお楽しみいただけたのではないかと思います。2024年も残すところわずかですが、素敵なクリスマス、年末年始をお過ごしください。
AMPP メディカルフィトテラピスト
Elisabeth.M (プロフィールへ)