毎日の暮らしにハーブティーを
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🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー
4 月に入り春本番がやってきました。大地の力強さで庭の木々や草花も色づき始め自然はエネルギーに満ちています。人間も自然のなかの一員として活き活きと生命力が漲る季節ですが、季節の変わり目に意外と体調を崩す人も出てきます。そんな時「ハーブ 」の存在は身近で私たちを支えてくれる強い味方となりえます。ハーブにはいろいろな利用方法がありますが、今回はハーブティーをご紹介します。
お茶とハーブティー
「お茶」という言葉を聞くと、紅茶や緑茶、そしてハーブティーもその中に含まれると思われがちですが、実はハーブティーは全く他のものに分類されます。
紅茶、緑茶、烏龍茶等のいわゆるお茶は、「カメリア シネンシス」というチャノキから製造されるもので、その発酵方法や程度によって名前が分けられています。不思議に思えますが全て同じ1つの木からできているのです。
それに対してハーブティーは根本的に植物の種類が異なり、更に使われる部位も果実、葉、茎、皮、花びら、根等、多岐に渡ります。またフレッシュハーブとドライハーブから溶け出す物質の中でも、エッセンシャルオイルには私たちの健康に有効なものが多く、昔から病を癒すためにも使われてきたと言われています。カフェインを含まない、という点でもお茶とは異なります。
世界中で利用されてきたハーブティー
ハーブティーは、世界のあらゆる地域で用いられてきた人類最古の飲み物の1つとしても扱われています。
ハーブティーはお茶が発見された時には既に知られていたそうで、古代ギリシャやエジプト、中国などの国々で病気の治療に用いられていました。古代中国の文書によると、ハーブティーは紀元前3,500年にはすでに存在していた、とも記されています。
またアメリカやオーストラリア、ニュージーランド、アフリカにおいても、先住民は熱湯でハーブを煎じることにより得られる効能を利用してきました。古代文化では、このようなハーブティーの知識は口頭で伝えられ、親から子へと受け継がれていったと言います。
そして今から約2000年前、古代ローマの植物学者で医師でもあるディオスコリデスによって、その当時最も重要であると言える薬草に関する書物が記されました。この本には、約600種類の植物とその治療的用途が説明されており、今日の漢方薬や薬草本のモデルとなっています。
こうして書物が出てくると、その知識が様々な言語に翻訳されるようになり、口頭伝承という形から文献として世界中に広がっていきました。
ハーブティーの楽しみ方
ハーブティーには植物の数だけさまざまな種類がありますが、それぞれのハーブに含まれる成分により飲み方も異なります。どんな時にどのようなハーブティーが適しているのかを簡単に分類してみると、
🌿お腹の調子が優れない時:カモミールティー、フェンネル・アニス・キャラウェイティー、コモンマロウティー
🌿女性の不調に:レディースマントルティー、ラズベリーリーフティー、カレンデュラティー
🌿気持ちが不安定な時に:レモンバームティー、セントジョーンズワートティー、リンデンティー
🌿春のアレルギーに:ネトルティー、エルダーフラワーティー、ルイボスティー
🌿夏の暑さに:レモングラスティー、ローズヒップティー、アップルミントティー
ハーブティーに使われる部位にもよりますが、基本的には小さじ1のドライハーブにカップ一杯分の熱湯を注ぎ、5-10分ほど蒸らしてから飲みます。
特に効果効能を利用したい場合には、食間の空腹時に1日2-3杯を2-3週間続けてみてください。ハーブの種類によっても異なりますが、中にはセントジョーンズワートティーやネトルティーのように長期的な利用が向かないものもあるため、ハーブティーを飲む前にその特徴を調べてみることも大切です。
『フィトテラピーの手帳から』では、ハーブティーに関する特徴が細かく記載されていますので、ぜひご覧ください。
AMPP メディカルフィトテラピスト
Elisabeth.M