
季節の変わり目に ハーブティー
🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー
こんにちは。10月に入り、季節の移り変わりを五感を通して感じる頃となりました。私が住むオーストリアでは、9月に1週間ほど雨が続いた後に一気に秋がやってきました。秋晴れのきれいな空が見えますが、朝方散歩に出ると手がかじかむほどです。そんな道中では、度々ヨーロッパに生息するキタリスに遭遇することがあります。
夏の暑い日々にはあまり見なかったものの、気温が下がってきた頃からリスたちも活発になり始めました。木々や葉が色づく美しい森の中で、おいしそうに木の実をほおばっています。きっと食事に集中していて、私の存在にも気が付かなかったのでしょう。とてもかわいらしいですね。
さて、今日は秋が深まるウィーンから、季節の変化により起こりやすい心身の変化とサポートとして役立つハーブティーをご紹介したいと思います。
季節の変わり目に起こりやすい心身の変化
年間を通して、私たちは何度も季節や気候の変わり目を経験しますが、中でも夏から秋にかけては、急に気温は下がり空気が乾燥し、明らかにその違いを感じます。体には本来ホメオスタシス(恒常性維持機能)が備わっており、周りの環境等に変化があっても体の内部は環境を一定に保たれるようになっています。しかし変わり方が急激であったり、体が慣れていない状態だと、自律神経や免疫系、ホルモン等が影響を受けやすくなってしまうのです。
・代謝の低下:気温が下がり、体にエネルギーを蓄えようとする。
・ホルモン変化と気分の落ち込み:日が短くなってくると「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの生産に影響が出るため、気分が落ち込みやすくなったり、睡眠の質が悪くなったりする。
・免疫系への影響:日光を浴びる時間が減ることでビタミンDの生成が減少したり、暖房により室内の湿度も低下することで風邪などを引きやすくなる。
・肌や髪の毛の乾燥:空気が乾燥することで肌や髪の毛も乾燥し、あかぎれやしわ、フケなどが起こりやすくなる。
このように、気候の移り変わりによって様々な影響が心や体に出てきますが、中でも太陽の光が私たちの健康にとても大きな影響を与えていることが分かります。まずはお天気のいい日には自然の中に出て日光を浴び、きれいな空気の中で散歩をする、といったことを心がけることで体が慣れ、また自律神経なども整えることができます。更にハーブティーで出来る内側からのケアを見ていきましょう。
心身の変化に役立つハーブティー
〇冷えや代謝の低下に ジンジャー
寒い時期には食事にもショウガを入れたりしますが、ショウガには「ジンゲロール」という辛み成分が含まれています。これは熱が加えられることで「ショウガオール」に変化しますが、血行を良くし、体を芯から温めてくれる働きをします。免疫の下がりやすい季節には、蜂蜜やレモンを入れて、ビタミンやミネラルの補給をするのも良いでしょう。手足や体が冷えていると感じた時に、飲んでみてください。
🌿ジンジャーレモンティー
🌿ジンジャーエネルギーティー
〇気分の落ち込みに セントジョーンズワート
ヨーロッパでは「サンシャインハーブ」として、実際に気分の落ち込みや憂鬱な気分に処方される薬草です。セントジョーンワートティーには「ハイパーフォリン」という成分が含まれており、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの濃度を高めることで気分を明るくしたり、鬱的な気持ちを軽減する働きが期待されています。気分の落ち込みが気になる方は、まずは1か月を目安に1日2回飲むのがおすすめです。尚、妊娠中、授乳中、また病気療養で薬を飲んでいる方は、お控えください。
🌿セントジョーンズワートティー
〇風邪に ブレンドハーブティー
空気の乾燥や冷え込みが厳しくなると、喉がいがらっぽくなったり咳が出たり、または熱まで出てしまったり。そんな時にはセージやエルダーフラワー、ペパーミントなどをブレンドしてみてください。ハーブには精油成分が必ず含まれていますが、これらが熱湯を注ぐことで微量にハーブティーに溶け出すことで、抗菌や抗炎症作用が働きます。セージは体に入ってきたウイルスや細菌などに対する力を発揮し、エルダーフラワーは利尿作用や発汗作用で代謝を上げ、ペパーミントは熱を冷ましたりバランスを整えるのに役立ちます。ぜひこれらのハーブをブレンドしたり、ハーブティーを使ったケアをお試しください。
〇乾燥に フルーツティー
乾燥肌や髪の毛のパサパサには外から保湿をしたりするケアの他、ハーブティーによるインナーケアも施すことができます。フルーツティーは夏の暑い季節に飲むのにも最適ですが、実はビタミンやポリフェノールを多く含むことから、乾燥や紫外線に対する抗酸化、抗炎症作用にも非常に優れています。特にローズヒップやシーバックソーンにはビタミンCやミネラルも含まれており、皮膚の回復を速めます。またハイビスカスに含まれるアントシアニンは、シミやシワ、老化肌の抑制など、様々な皮膚のトラブルにも役立ちます。カフェインを含んでいないため、日頃から手軽に飲めるハーブティーとしてお家に常備しておくと良いでしょう。
🌿ローズヒップ・ハイビスカスティー
🌿サンドロンフルーツティー
いかがでしたでしょうか。これから秋冬にかけて冷えや乾燥が進んでいきますが、ハーブティーを使ったインナーケアもぜひお試しください。
AMPP メディカルフィトテラピスト
Elisabeth.M (プロフィールへ)