高木に咲く香りの花 イランイラン

高木に咲く香りの花 イランイラン

マダガスカルやインドネシアを原産とする、甘くオリエンタルな香りが好まれるイランイラン。古くから様々な国や地域で心身に健やかさをもたらす植物の1つとして使われていて、現在は香水やフレグランス、ケア商品や石鹸などにも多く使用されています。有名なシャネルの香水NO.5にもジャスミンやローズと共にイランイランがブレンドされています。

今回はこのイランイランがどんな働きを持っているのか、そして他のエッセンシャルオイルとは異なる抽出工程と香りの関係、品質について深めていきたいと思います。


イランイランの抽出とグレード

高いものでは25mほどにも成長するイランイランの木。その花びらに含まれる甘くフローラルな香りのエッセンシャルオイルは、水蒸気蒸留法によって抽出されます。エッセンシャルオイルが抽出される量の割合は植物により異なりますが、イランイランの場合は、約1Lのオイルに対して50~60kgの花びらを必要とするそうです。

 

 

そして何と言っても特徴的なのが、その抽出する時間によって成分と香りが異なることです。抽出は15-20時間断続して行われ、エクストラ、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、そしてコンプリートの5種類に分けられます。エクストラは抽出開始から約1時間後から抽出されたもの、Ⅰはその後の2-3時間の間に抽出されたもの、Ⅱは6時間までに抽出されたもの、Ⅲは12時間までに抽出されたもの、そしてコンプリートは最後に抽出されたもの、もしくは全てのオイルがブレンドされたものを指します。

これらの5種類は時間だけでなく、内容成分や香りも少しずつ異なります。中でも最も品質の良いエクストラと全てがバランスよく混ざったコンプリートの使用頻度が高く、特に皮膚に直接触れるアロマテラピーやスキンケアにおいてもこの2種類の使用が勧められます。

 

イランイランの成分と作用

イランイランのエッセンシャルオイルに含まれる成分には、心や体への有益な作用があり、様々な場面で使われます。






イランイランに含まれるリナロールやゲルマクレンDという成分には鎮静やリラックス効果が期待されることから、不安や恐怖、緊張といった感情に対して働きかけます。またイランイランには媚薬としての効果があることも知られていますが、これは酢酸ベンジルという成分が気持ちを高めてくれる作用をもたらすことによります。

またイランイランの香りはセロトニンや幸せホルモンとも呼ばれるエンドルフィン等のホルモン分泌にも刺激を与えてくれることが分かっており、心のバランスを調整したり、寝る前のリラクゼーションに役立ちます。

 

体に対する作用の1つとしては、痛みを和らげてくれる働きがあります。エッセンシャルオイルに含まれる成分には、痛みを癒してくれるものがたくさんありますが、イランイランに含まれるβ-カリオフィレンという成分もその1つに数えられます。またβ-カリオフィレンには女性ホルモンによる特有の痛みや肌荒れなどにも効果が期待されています。

イランイランは髪の成長や皮脂のバランスの調整といった面でも優れていることから、スキンケアやシャンプー等にもよく使われています。植物オイルに1滴イランイランのエッセンシャルオイルを混ぜて、お風呂上りに肌や頭皮をマッサージすると香りも同時に楽しむことができます。 

 

〇イランイランのエッセンシャルオイルは香りが非常に濃厚であるため、1,2滴を目安にお使いください。

 

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AMPP メディカルフィトテラピスト
Elisabeth.M



参考文献
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