美しい春の出会い
🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー
皆さん、こんにちは。
ヨーロッパでは毎年3月から4月にかけて、イースターと呼ばれるキリスト教ではクリスマスの次に大事にされているイベントがあり、お祝いをします。今年は4月の最初の日曜日がイースターサンデーでしたが、その日は24度を記録し、とても暖かい1日となりました。それを機にまた春の心地よい気候が続いているウィーンですが、都会でも様々な植物が美しい姿を見せてくれます。今日はウィーンの散歩道から3つほど、可愛らしいお花をご紹介したいと思います。
ヤブイチゲ
英語ではwind flowerと呼ばれ、湿り気のある森林によく見られます。根茎が地下に広がり勢いよく増えていくため、絨毯のように一面を覆う様子も特徴の一つです。春には花粉を昆虫が運ぶことで受粉が起こり、その後できた種子をアリが運び、繁殖が広がると言われています。自然は本当によくできていますよね。植物と動物が上手に働き合うことで生命を循環させているのだなと思います。
ただ、この植物には毒があることも知らなくてはいけません。植物全体に「プロトアネモネン」という刺激の強い成分が含まれており、触れると赤みや痒みといった炎症が起こります。とても可愛らしい花ではあるのですが、素手でとって家に持ち帰る、ということは避けた方がよさそうです。
キバナノクリンザクラ

カウスリップの名前でも知られるキバナノクリンザクラは、ヨーロッパでは「春を告げる花」として知られています。小さな花にはオレンジ色の斑点があり、かわいらしいですよね。暑さや湿気に弱いため、野生では夏本番前に枯れてしまうこともあります。そんなキバナノクリンザクラは、実は古くから薬草として用いられてきました。ドイツの修道女でもあったヒルデガルド・フォン・ビンゲンも大切にしていた植物の一つで、主に根っこの部分や花を乾燥させてハーブティーにして飲むことで、気管支系の風邪や咳に利用されてきました。現在でも咳のハーブティーには度々使われます。根の部分にはトリテルペンサポニンという高麗ニンジンや大豆にも含まれる成分が多く含まれており、殺菌、去痰、滋養強壮にも役立つとされています。小さな植物にも、とても大きな薬効があるのですね。
デージー

この季節には見ない日はない、というくらいよく見かけるのがデージー。少しカモミールに似た可愛らしいデージーは、道端で踏まれても強く丈夫な花です。白い花びらの他、ピンクがかったものもよく花を開かせています。ドイツ語ではGänseblümchenと呼ばれ、度々ハーブティーブレンドでその名を見ます。花全体を乾燥させてハーブティーとして使うことができ、キバナノクリンザクラのようなサポニンやフラボノイド、タンニンなどが含まれていることから、咳を和らげたり痰を出しやすくしたり、酸化を抑えてくれる働きに優れています。炎症を鎮めてくれる作用も期待されるため、ハーブティーを冷ましてニキビや湿疹などの皮膚炎にも使うことができる万能植物。
毎日外を歩くだけでも、いろんな花や植物との出会いがあります。時には触れることができないものもありますが、一つ一つ調べていくと、様々な薬効を持つものがあることも分かります。昔は植物との触れ合いがもっと多かったため、こういったことはきっとおじいちゃんやおばあちゃんから教わったことだと思います。現代では簡単に調べることも出来ますので、お散歩に行く時には身近な植物にちょっと目を向けてみるとよいのではないでしょうか。そうするとまた新たな世界が見えてくるかもしれません。
AMPP メディカルフィトテラピスト
Elisabeth.M