森の恵み クマニラ

森の恵み クマニラ

🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー


こんにちは。1年で最も美しい季節とされる5月が始まりました。緑が益々生い茂り、遂最近まで蕾だった植物も美しい花を咲かせています。
少し前のことになりますが、毎年春になるとオーストリアでは多くの人たちがある植物を目当てに森に出かけます。それが「クマニラ」。ドイツ語ではBärlauch(ベアラオホ)、英語ではラムソンなどと呼ばれ、そのニラやニンニクのような強い香りで存在に気付くこともあります。今日はそんな中央ヨーロッパに生息するクマニラについてお話してみたいと思います。


春の目覚め

クマニラはちょうど3月中旬から4月の終わり頃、ヨーロッパの森の湿ったところに姿を現します。




見た目はすずらんの葉に似ていることから、毎年間違えてとらないようにと注意喚起がされるほど。背丈が低く、小さくて白い花を咲かせます。日本語でクマニラと言われるように、ドイツ語のベアラオホの「ベア」は熊を、「ラオホ」はネギを意味していますが、これは熊が冬の眠りから目覚め最初に食する植物であるからではないか、ということがよく言われています。


デトックスと栄養補給を叶える万能の植物

この季節にレストランに行くと、スープ、ペースト、パスタなどクマニラを使った食事が多くメニューに並びます。また森で採ってきたものを調理したりサラダに入れて楽しんだりするのも定番です。



では、そんなクマニラには一体どのような栄養価や効能があるのでしょうか。

少し話は変わりますが、私の親戚にはハーブを愛するいわゆる「魔女」が何人かいます。その中の一人で、私が大好きなおばちゃんに一度「解毒にはどんなハーブを勧める?」という質問をしたことがあります。その際に彼女がすかさず挙げたのがこのクマニラでした。私は解毒というとネトルやダンデライオンをまず思い浮かべるので少し意外だったのですが、その頃からこの植物にも興味を持ち始めました。

以前受けたデトックスハーブの講義でもクマニラのチンキが登場したことを思い出します。その理由がアリシン(玉ねぎやニンニクにも含まれる)を含むいくつかの硫黄含有化合物を豊富に含んでいることにあり、これらの成分が体内の重金属と結びつき、体外へと排泄してくれる働きに優れているからなのです。その他にも抗菌作用、抗酸化作用、代謝の促進や血液の浄化にも働きかけることから、まさに春のデトックスにぴったりなのです。

そして栄養の面からも、ビタミンC、A、B群、鉄、マグネシウム、カルシウム、フラボノイドなどを多く含んでおり、エネルギー補給や免疫のバランスを整えるためにも貢献してくれます。

香りが強いため、やや敬遠されがちな植物ではありますが、その効能や、動物たちがどのように利用しているかを理解すると、なぜ私たちの祖先がそれを毎年のように伝統的に食べ続けてきたのかが見えてきます。クマニラは日本には自生していないとされますが、日本にもそれに匹敵する優れた植物がたくさん存在します。それぞれの土地にはその風土に合った様々な植物があり、私たちは古くからそれらを季節に応じて取り入れてきました。そのように自然のリズムに沿って、その時期に育つものを上手に取り入れることが、私たちの体に働きかけ、健康を支えるうえで大きな意味を持っているのかもしれませんね。

 

AMPP メディカルフィトテラピスト

Elisabeth.M

参考文献



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