季節に負けない心を整えるハーブ

季節に負けない心を整えるハーブ

🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー

こんにちは!
最も日が短い時期は過ぎましたが、それでも朝夕は暗く寒い日が続いています。太陽が当たる時間が少ないと気分が沈みやすくなるというのはきっと多くの人が経験したことがあるでしょう。一般的には季節性の鬱や睡眠障害と言われますが、一過性のものであっても一定の期間続くとなかなか抜け出しにくくなってしまうこともあります。そんな時に昔から使われてきたハーブがセントジョーンズワートです。フィトテラピーでは外用、内服共によく使われるハーブで、ヨーロッパでは医薬品としても用いられています。これまでにも「フィトテラピーの手帳から」で度々ご紹介してきましたが、今日はより一層深めていきたいと思います。


長い歴史と共に




セイヨウオトギリソウとも呼ばれるセントジョーンズワートは、最古の医学文書にすでに治療薬として記載されている長い歴史を持つ薬草の一つです。今日知られているように、抗うつ薬に似た作用を持ち、近年では創傷治癒薬としても改めて見直されています。

古代ギリシャにおける医学倫理の創始者であるヒポクラテスは、セントジョーンズワートを抗炎症剤として用いたとされており、現在主流となっている向精神薬としての使用法は、すでに16世紀に書物に記され、18世紀にはドイツで憂鬱症の治療に用いられたと言います。

セントジョーンズワートが属するオトギリソウ科に分類される植物は、世界中でなんと500種類もありますが、医学的に使われるのは真正なセントジョーンズワート(Hypericum perforatum)のみです。ヨーロッパやアジア、アフリカやアメリカの一部で野生に育ち、乾いた日の当たる地を好みます。また、葉を光に当てたり、細かく見ると小さな油腺の穴があり、点のように見えるのもこのハーブが真正である特徴の一つです。


サンシャインハーブ


セントジョーンズワートの乾燥させた花びら、葉、新芽の先端には、ハイパーフォリンという成分が含まれており、軽度〜中程度のうつ的症状の緩和に役立つとされる成分が含まれています。

ハイパーフォリンは、例えばセロトニン、ドーパミン、GABAといった抗うつに関わる脳の神経伝達物質が長く働くようにして、気分を良くする助けをします。またストレスに対する脳の反応を調整して、気持ちを落ち着かせてくれます。そして、炎症を抑えたり、神経細胞の保護にも役立つことが分かっています。

うつ症状や気分の落ち込みには主にハイパーフォリンが働きかけますが、その他ヒペリシンやフラボノイド、タンニンといった成分との相乗効果により、抗ウイルス作用や抗炎症作用が発揮されるため、精神的な症状だけでなく、皮膚炎、消化器系の不調などにも取り入れられます。

ただし、ハイパーフォリンは肝臓の酵素の活性化にも働きかけることから、多くの薬の効果を弱める可能性が指摘されているため、薬を服用している方は医師へ相談すると良いでしょう。


これらの様々な薬効をもつセントジョーンズワートですが、最も簡単にとれる方法がハーブティーです。基本的には12歳以上から飲むことができますが、気分の落ち込みや鬱っぽい気持ち、睡眠障害への対応としては、一日カップ2-3杯を2週間ほど続けて飲むのがおすすめです。薬ではなく、まずハーブで試してみたい方、また軽い気分のムラを感じる方は、ぜひ一度お試しください。

 

AMPP メディカルフィトテラピスト

Elisabeth.M

参考文献

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