身体と環境に負担をかけないオーラルケアを考える

身体と環境に負担をかけないオーラルケアを考える

🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー 


こんにちは。4月も下旬に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
4月はお花見などのイベントがあったりすることで自然に出る機会が多くなりますが、春から初夏に移行するこの時期には、なかなか天気が安定しないこともあります。私の住むオーストリアのウィーンでも、一度20度まで気温が上がったと思ったら次の日は零下になるということもあり、体調管理に気を使う日々が続いています。


そんな4月のある日、久しぶりに歯医者へ行ってきました。歯医者と言うと、ちょっと「怖い」というイメージがありますよね。そのためすっかり足が遠のいてしまっていたのですが、詰物が取れてしまったり少し痛みを感じていたため思い切って行くことにしました。今回は新しい歯医者ということもあり、いつもよりも緊張していたのですが、幸い歯には問題がなく、口腔ケアも1時間かけて丁寧にやっていただき、とてもさっぱりとした気持ちで歯医者を後にすることができました。しかし、その口腔ケアでは「フッ化物入りのもの」を絶対に使用するように、ということを強く言われました。近年、フッ素は健康問題も含め危険視する見方があり、私自身も漠然とした不安から15年以上フッ化物の入ったオーラルケア用品は一切使ってきませんでした。しかし今回の歯医者での経験により、自然な方法でオーラルケアはできないのかという疑問がより強くなったので、これまで詳しく知らなかった「フッ化物」について掘り下げつつ、体と環境に負担のない方法を皆さんと共有しながら探っていきたいと思います。


フッ化物とは?

一般には「フッ素」という言葉の方が聞き慣れているかもしれません。フッ化物は、フッ素がナトリウムやカルシウムなどと結合した化合物で、非常に有毒ないわゆるフッ素という気体自体を指すわけではなく、歯磨き粉といったオーラルケアなどに使われているもののことを言います。フッ素はフルオール、フッ化物はフルオリドという言い方で区別することもあります。フッ素には様々な種類がありますが、私たちの骨や歯に含まれるミネラルであると同時に、自然界に存在したり、私たちの過程にある調理用具やオーラルケア、また紅茶や魚と言った食品にもフッ化物という形で入っています。


オーラルケアにおけるフッ素(フッ化物)

今ではチューブから出てくるペースト状の歯磨き粉が当たり前ですが、古代や1914年にフッ化物入りの歯磨き粉が登場する前までは、人間は塩や砂、ハーブ、スパイス等を混ぜて口腔ケアをしていたと言われ、いわゆる自然素材で歯の健康を守ってきました。しかし20世紀前半になると、虫歯を予防するために歯磨き粉や上水道にフッ化物を入れたり、また幼児にはフッ素錠剤を与えるということが始まりました。フッ化物には歯の表面にあるエナメル質を強くし、酸の影響を受けにくくすることで虫歯を予防することができると言われています。



そもそも歯磨きという概念がそこまで浸透していなかった時代には虫歯が多く、口腔トラブルから大病へと発展していくことも少なくなかったようですが、それでもフッ化物の添加には賛否両論があり、特に上水道に関してはヨーロッパの多くの国々では添加が禁止されています。アメリカではいまだに飲み水が汚染されている州があり、現在健康への問題が懸念され話題になっています。

フッ素は体内に入った場合、血液に入って全身をめぐり、その90%は腎臓や膀胱と言った浄化・排泄臓器を通して体から出ていくそうです。歯科衛生士の方も言っていましたが、確かにフッ化物は微量であれば健康に問題ないそうなのです。しかし微量であったとしても、蓄積していくことで体への影響が全く考えられないのか、ということについては疑問が残ります。実際に多くの病気が昨日今日の結果ではなく、長期的な蓄積により起こるということはよく言われています。

ブログの中でも何度か取り上げたことがありますが、私たちの皮膚には塗ったものを吸収する働きがあり、口の中を含む粘膜は中でも一番高い吸収率を持っています。そう考えるとオーラルケアは最も気を使うべきケアの一つと言えます。

そして小さい子供や妊娠をしている場合には、特にフッ化物や化学物質が体に影響を与えやすいということが分かっているにもかかわらず、歯科衛生においては子供に対してもフッ化物入りの歯磨き粉や錠剤すら勧められているそうです。しかし子供や胎児の場合は大人よりもすべてが繊細であり、更に大量に飲み込んでしまったり吸収されてしまった場合には、体が対応しきれないということも考えられます。こういうことも含め、メリットとデメリットを一人一人が意識をしながら決定していく必要があると思います。


自然なオーラルケア


虫歯になってしまってから痛い思いをするのは嫌なことですが、虫歯になりにくい環境を作るのに最も根本的なことは、砂糖を控えることではないでしょうか。虫歯菌は糖分をエサにして歯を溶かす酸を作り出すため、体自体にも良くないとされる砂糖の量を減らしたり、糖質と食物繊維から成る炭水化物を摂り過ぎないようにすることがまず第一歩なのではないかなと思います。

そして日本では昔ながらの虫歯予防として緑茶があるそうです。緑茶や紅茶、ハーブティーにはそれぞれ植物が作る殺菌作用が期待できます。そのため食間や食後には甘いジュースを飲むのではなく、お茶やハーブティーを取り入れてみるのも良いと思います。特にセージティーは歯医者でも抜歯の後に抗生剤の代わりに使うようにと指示をされるほど効果的です。

虫歯になりやすい、なりにくいという体質もある程度影響していますが、歯間ブラシを使って歯の間をきれいにしたり、歯磨きをする時に小さめのブラシで歯茎の方から歯の方に向かってはじくように歯磨きをすると、歯垢が落ちやすくなるそうです。私は一時期にティートリーオイルで歯を磨いていたことがありますが、これも歯医者に尋ねたところ効果的だというご意見をいただきました。

フッ化物以外にもアルミやパラベンなどに不安をお持ちな方もいるかもしれません。できるだけ自然に、とお考えの方にはマリアスのビオ サルビア・ミント歯磨きがおすすめです。先ほど登場したセージやペパーミントといったハーブが口内をスッキリとさせ、キシリトールがフッ化物の代わる役割を果たします。できるだけ少ない原材料で、そして自然素材のみで作られた歯磨き粉です。

小さな子供にはセージやティートリー、ペパーミント等の強いハーブは適さないため、できるだけ自然な方法での歯磨きを考えたい場合には、大人と同様に砂糖の摂取をできるだけ抑えたり、食べた後にはこまめに歯磨きをすることを習慣づけるのが最も良い方法かもしれません。フッ化物がたっぷりと入った歯磨き粉で磨いたということだけに満足するよりは、隅々まで優しく磨く練習をする方が良いですね。たまにココナッツオイルのような飲み込んでも問題のないものでうがいをするのもおすすめです。


いかがでしたでしょうか。「良い」とか「効果がある」という概念が根付いているものには特に疑問を持つことが難しいですが、自分にとって不自然であったり、少しでも不安に思うものがある時には、少し立ち止まってみることも大切です。そのきっかけや気付きがきっと、より快適な暮らしをサポートしてくれると思います。

 

AMPP メディカルフィトテラピスト

Elisabeth.M (プロフィールへ

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