
夏を自然に健やかに
🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー
6月を目前に気温が上がり、夏らしい日が増えてきました。暖かくなってくると、通気性の良い素材や薄手の衣類で暑さを調節をすることができますが、日中の日差しが強い時間帯には汗をたくさんかくこともよくあります。そこで着替えを持ち歩いたり、汗脇パッドを使ったり、または臭いを気にしてデオドラントを持ち歩いている人も多いのではないでしょうか。汗や臭いというものに対してはどちらかというと良くない印象があるため、昔から対策がとられてきました。しかし、時代と共に自然なものから化学的なものへと変わり、特に制汗剤やデオドラントは現在、その成分が健康を脅かす可能性があるとして、注目が集まっています。では、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。これから夏本番を迎えるにあたって、自然な体の機能を損なうことなくできる汗と臭い対策について考えてみたいと思います。
デオドラントの歴史
デオドラント(デオとも呼ばれる)は、特に脇の汗による臭いを防いだり、抑えたりするボディケア製品の一つで、制汗剤も同時に使われたりしています。汗自体に無臭ですが、汗をかくことで皮膚上のバクテリアが活発になり、皮脂や垢を分解する際にガスを発生させるために臭いが起こるとされています。そのため夏場の発汗は敬遠されがちですが、体臭はそれ以外にも人種や病気、またホルモンや食べたものによっても変化することがあります。
では、デオドラントという概念はいつごろからあったのでしょうか。何と紀元前の古代エジプトには既に、汗や臭い対策として香りのあるお風呂に入ったり、脱毛をするという習慣があったとされています。また古代ヨーロッパでも体臭を消すために香油が使われており、その後香水へと発展していきました。その他には現在も使われているような脇用のパッドなどで汗を隠していたとも言われています。そしてアメリカでは、市場に初めて"Mum"というデオドラントが1888年に登場しました。これはワックスクリーム状の塗るタイプのもので、殺菌作用が期待される酸化亜鉛がベースになっていました。その後、時代の流れと共に開発が進み、スプレーやジェル、パウダー等、様々な形のもの、そしてより化学的で便利な製品が市場へと出回るようになりました。
従来のデオドラントの成分
さて、化粧品やケア製品の発展により、どのようなものも工場生産で簡単に作られるようになってきましたが、その反面、常に体に触れたり塗るものに使われているものに対する関心も高まっています。現在では、マイクロプラスチック、重金属、環境ホルモン、化学薬品など、体や健康の負担になる可能性のあるものがあらゆる場面で使われています。
その一つが、今回のテーマでもあるデオドラント、そして制汗剤です。一般的にこの2つは異なり、デオドラントはバクテリアを抑制することで臭いを防ぐもの、制汗剤は汗の出口をふさぐことで発汗を抑えるものとなっています。これらを併用することも多くありますが、懸念されている成分には、例えば塩化アルミニウム、パラベン、トリクロサン、フタル酸エステル類などといったものがあります。
塩化アルミニウムは発汗を抑制するために使われており、制汗剤の主な成分です。これには長期的な使用により呼吸器への問題、発がん性、またアルツハイマー病への関連性が示唆され、特にヨーロッパでは慎重な対応が求められています。
パラベンは食品や化粧品に含まれる合成防腐剤です。これは皮膚から吸収されると、女性ホルモン様の働きをして体のホルモンバランスを乱す可能性があるため、現在ではパラベンフリーと言うものも増えてきています。
トリクロサンは、化粧品や洗剤、石鹸、歯磨き粉などに用いられている抗菌剤です。非常に強い殺菌作用から、耐性菌への懸念や、内分泌系(ホルモンを作って分泌する臓器)への影響が問題視されています。
フタル酸エステル類は、プラスチックなどを柔らかくするために使われている化学物質です。制汗剤や日焼け止めなどに使われることが多く、特に生殖機能や内分泌系、神経系への悪影響が問題になっています。
これ以外にも合成香料や乳化剤など、皮膚から吸収されることで体の自然な機能に影響を与えるものが多くあります。
自然な夏のケア
本来、私たちの体は汗をかき、熱を放散させることで暑さから身を守っています。そのため、特に塩化アルミニウムが含まれている制汗剤を使って毛穴をふさいでしまうことは、熱を逃がすのに重要な脇からの汗を止めてしまうだけでなく、老廃物の排泄も出来なくなってしまうことになります。
汗が気になる場合には、小さめのタオルを持ち歩いて頻繁に拭いたり、水でぬらして清潔に保つのが良いでしょう。臭いが気になったり、またはスーッとリフレッシュさせたい時には、家庭にあるもので対応することも出来ます。
例えばリンゴ酢です。リンゴ酢には殺菌作用が期待できるため、水と割り(リンゴ酢1:水10)、コットンパッドで拭き取ったり、脇に塗って少しおいてから拭き取るとサッパリします。ココナッツオイルもバクテリアの繁殖に役立つことから、脇に直接塗ったり、ココナッツオイル10mlにティートリーオイルを1-2滴垂らして混ぜてから塗ると良いでしょう。
ハンドメイドのデオスプレーも簡単に作ることができます。
〇用意するもの
・遮光スプレー瓶:100ml用
・煮沸させて冷ました水:90ml
・エッセンシャルオイル(ペパーミント、セージ、ラベンダーなど):8-10滴
・ティートリーオイル:2滴
・重曹:小さじ2
〇作り方
一度沸騰させてから50度以下まで下がった水に重曹を入れ混ぜます。その後エッセンシャルオイルを入れたら完成です。ティートリーオイル以外は、上記のようなスッキリとさせてくれるエッセンシャルオイルを選ぶと良いでしょう。できるだけ冷暗所で保管し、1か月以内に使い切ってください。
最後にマリアスが作るデオスプレーをご紹介したいと思います。
マリアスのデオスプレーは、オーガニックの自然素材からなり、環境と健康を第一に考えたレシピとなっています。アロエベラウォーターをベースに、臭いの原因を抑えるマイクロシルバー、岩塩に加え、爽やかな香りを保たせてくれるシトラス系のエッセンシャルオイル成分がブレンドされており、肌に優しいだけでなく気持ち良い使い心地です。また、サトウキビで作られた容器は軽く、持ち歩きにも便利なサイズです。
暑い夏を快適に乗り切るためのアイテムの1つとして、ぜひお試しください。
AMPP メディカルフィトテラピスト
Elisabeth.M (プロフィールへ)