女性のサイクルとフィトテラピー

女性のサイクルとフィトテラピー

🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー 


近年、社会の変化と共にこれまであまり話されることのなかった女性の体やホルモンに関することが、公の場でも度々話題に挙がるようになってきました。女性に対する理解が深まることは仕事や普段の生活においてとても良いことであると同時に、いかに多くの女性がホルモンの変化による痛みや不調に悩まされているのかも分かってきました。人によって程度は異なりますが、辛いお腹の痛みは誰もが1度は経験したことがあるでしょう。私も無月経や強い生理痛を経験した1人として、今回はフィトテラピーを中心とした女性ホルモンとの上手な付き合い方をご紹介します。


女性のサイクルと起こりやすい変化


 

月に一度、女性には月経があります。これは子供を授かることできるために起こる体の自然なサイクルとも言え、主にエストロゲンプロゲステロンという2つの女性ホルモンにより調節されています。これらの2つの女性ホルモンは1か月の間に大きく変化をするため、特に月経前(PMS)や月経がはじまると多くの女性が不快な症状を経験します。しかしながら、近年では日常生活や仕事がままならないほどの痛みや、月経不順、気分の浮き沈み、また経血量に悩まされる人が増えてきていると言われています。

症状には、原因や異常のあるものから特に何もないものまで様々ですが、その1つにホルモンバランスの乱れが挙げられます。現代の生活では食事の変化、環境ホルモンの増加、薬剤による体への負担、ストレス等により、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが乱れやすくなっている可能性があるのです。

また痛みが強い場合には、経血を外に押し出すために子宮の収縮を起こさせるプロスタグランジンという物質が多いことが考えられます。経血量が多すぎたり、冷えにより血行が悪いと特にプロスタグランジンによる強い痛みを感じやすくなると言われています。

 

快適に1か月を過ごすためにできること

症状が辛かったり、1か月の間でも快適な日が少ないと薬に頼りたくなるのは誰でも同じだと思いますが、特に大きな問題がないことを確認したら、自分の生活の中で改善できることがないか振り返ってみたり、自分にとって心地よいと感じることを見つけるのもおすすめです。まずは不快な症状を和らげてくれるフィトテラピー(植物療法)を見ていきましょう。

 
🌿エッセンシャルオイル 



エッセンシャルオイルには痛みを和らげてくれるもの、リラックスさせてくれるもの、気分を安定させてくれるものなどいろいろなものがあります。

ゼラニウム:痛みを和らげる、ホルモン分泌の調整、不安やイライラを鎮めてくれる作用に優れています。芳香浴、バスタイム、マッサージ等に最適。

ペパーミント:痛みを鎮めてくれるメントールが含まれ、お腹の痛みや頭の痛みによく用いられます。吐き気や胃のむかむかの改善にも役立ちます。

イランイラン:イランイランのエッセンシャルオイルにはホルモンのバランスを整えてくれる作用があります。また不安やイライラを鎮め、深いリラクゼーションを与えてくれます。

ベルガモット:甘く爽やかな香りのベルガモットには、ラベンダーと同じリナロールと酢酸リナリルが含まれていることから、特に自律神経を整え心を落ち着けてくれます。


お腹の痛みや気分が落ち込み気味の時には、20mlの植物油(例えばアーモンド油やホホバ油)にゼラニウム4滴、イランイラン4滴を入れて混ぜ、お腹をマッサージしてみてください。


🌿ハーブティー



フィトテラピーの中でも最も身近なハーブティー。ハーブには女性のサイクルにとても良いものがたくさんあります。 

ラズベリーリーフ:ラズベリーリーフはビタミンミネラルが豊富なため、特に貧血になりやすい時期にネトルと混ぜて飲むと良いでしょう。またエストロゲン様作用のある物質を含むことから、最初の月経周期(月経開始から排卵まで)に飲むとバランスの調整に役立ちます。

レディースマントル:プロゲステロン様作用を持つハーブで、月経周期の安定やPMSの改善におすすめです。ラズベリーリーフと相性が良く、ブレンドして飲むと良いでしょう。

レモンバーム:レディースマントルと同様にプロゲステロン様作用を持つハーブで、特に気分にムラがあったり落ち込みやすい時に飲むと楽になります。精神面でのサポートに役立つセントジョーンズワートとブレンドするのもおすすめです。

ハーブティーは薬ではないため、1-3か月ほど飲んでみることで体質に変化をもたらします。焦らずに毎日1-2杯を続けてみることが大切です。


その他に役立つこと

・バランスの取れた食事をとる


 

食事は全ての基ともなるため、バランスを考えて食べることはとても重要です。特に鉄分やマグネシウム、ビタミン類を意識すると良いでしょう。マグネシウムは筋肉や神経の機能に必要不可欠です。私はマグネシウムの摂取を増やすことで月経痛がかなり抑えられたので、痛みの強い方はぜひ摂取してみてください。カフェインやアルコールは逆に痛みを強くする場合があるため、過剰摂取は控えると良いでしょう。


・適度な運動をする

日頃からたくさん歩いたり、心身をリラックスさせるヨガなどの運動を取り入れることは、心と体にとても良い影響があります。特に自然の中を散歩すると、空気が気持ちよくストレスの軽減にもつながります。月経中のしんどい時を避け、毎日適度に体を動かしてみてください。


・自然素材を体に身に付ける

下着や生理用ナプキンには様々なものがありますが、経皮吸収率の多い部分でもあるため、できるだけ自然素材やオーガニックの物を選びましょう。特に生理用ナプキンに含まれる高吸水性ポリマーは、子宮の冷えの原因にもなると言われています。体を冷やすことは月経痛の悪化にもつながるため、ぜひ意識をして買い物をしてみてください。


・良質な睡眠をとる

睡眠は心と体の回復に最も大事な時間です。前日の疲れやストレスをしっかり処理するためにも、早寝早起きを心がけると良いでしょう。これにより自然にホルモンバランスの改善にも繋がります。

 

日々の生活に少しだけでも意識を向けてみることで、心と体は必ず応えてくれます。ストレスを上手に解消する方法を見つけて、快適な毎日をお過ごしください。

 

 

AMPP メディカルフィトテラピスト

Elisabeth.M

 

参考文献

 

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