地中海のハーブティー

地中海のハーブティー

🌿植物が生み出す豊かな生活・・・フィトテラピー

 

薄緑色の葉と積み重なるように咲く花。そして爽やかな香りが特徴的なギリシャの山茶(マウンテンティー)。古代からギリシャでは羊飼いたちがこの植物を積み乾燥させ飲んでいたと言われ、「羊飼いのお茶」とも呼ばれています。


©pixabay

 

地中海地方を始め、バルカン半島、また中央ヨーロッパでは飲まれてきたギリシャの山茶ですが、近年ではその含まれる成分に数々の健康に有益な作用があることが明らかになっており、注目を浴びているハーブティーの1つです。

今回は日本ではあまり馴染みのないギリシャの山茶の魅力をご紹介したいと思います。

 

高地で育つ植物



 
シソ科に属するギリシャの山茶は標高1000m以上の高地で育ちます。多少の霜や雪の影響は受けない丈夫な植物で、15-40cmほどまで成長します。近年では絶滅の危機に瀕し野生で見つけることがとても難しいため、ほとんどが人工的に栽培されています。このことからギリシャの山茶においては、特にオーガニックの品質で農薬等の付着がないことが購入する大切な条件となります。

「長寿のお茶」として親しまれているギリシャの山茶には、カリウムや亜鉛と言ったミネラル、苦味成分やタンニン、フラボノイド、またエッセンシャルオイルなどが豊富に含まれています。

苦味成分やタンニンは特に消化器系の働きを促進することから、食後や胃腸の不調に対して効果的です。またフラボノイドは炎症を抑えたり酸化を抑制することで良く知られていますが、ギリシャの山茶には40種類以上のフラボノイドが含まれていることが分かっています。これらの成分の相互作用により、近年では特に落ち込み認知症に対する効果が非常に期待される植物として研究が進められています。


ギリシャの山茶の利用方法


 

ギリシャの山茶はハーブティーとして飲むのが最もお勧めです。網やティーバッグに入れて熱湯を注ぐほか、写真のようにカップにハーブを泳がせると花びらが開き、成分が溶け出しやすくなります。

ギリシャの山茶は花びら、葉、茎の全てを利用することができますが、それぞれが少し大きいため、手で細かくしてハーブティーを淹れてください。カップ1杯に対して小さじ1-2杯ほどのハーブを入れ、お湯を注ぎ5分ほど蒸らします。その後ハーブを取り除きお楽しみください。お腹の不調や風邪と言った症状のある際には、1日2-3杯を体調が良くなるまで続けて飲むのがおすすめです。

オリーブや山羊のチーズとの相性も良く、食事に合わせてハーブティーを淹れると雰囲気も楽しめます。少し苦みを感じる場合には、ハチミツやレモンのしぼり汁を入れてみてください。

またギリシャの山茶はチンキにしても効果的なハーブの1つです。瓶にギリシャの山茶を入れ、ウォッカ等の度数が40%程のアルコールを茶葉が浸るまで注ぎ、日光を避け3-4週間漬けておきます。その間毎日瓶を振ってください。その後チンキを濾し、熱湯消毒した遮光瓶に入れたらチンキ剤の完成です。水やお茶に15滴ほど入れて1日2-3回飲むと良いでしょう。風邪やお腹の不調、気分の落ち込みにおすすめです。手作りのチンキ剤は冷蔵保存し1年を目安に使い切ってください。

ギリシャの山茶はマイルドな草のとてもいい香りがします。ハーブティー以外にも小さな容器に入れたりポプリとしてお楽しみください。

 


🌿ギリシャの山茶はこちらから

 

AMPP メディカルフィトテラピスト

Elisabeth.M

 

参考文献

 

 

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