冬におすすめのエッセンシャルオイル

冬におすすめのエッセンシャルオイル

🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー 



今年も残すところ約2か月となりました。ヨーロッパでは、少し早いですが来月のクリスマスに向けて着々と準備が始まっています。


 

オーストリアでは、毎年11月中旬くらいから観光名所や大きなショッピングストリートにイルミネーションやクリスマスマーケットが出始めます。この写真のシェーンブルン宮殿は1749年に完成したバロック建築の宮殿で、女帝マリア・テレジアを始めとするハプスブルグ王朝の君主たちが住んだとされるとても有名な名所です。更にマーケットの準備が始まると一気にクリスマスモードになり、夜も明るくすっかりと景色を変えます。

クリスマスシーズンは町がきれいにイルミネーションでライトアップされたり、家族や友人と過ごしたりとワクワクすることが多いですが、寒さや乾燥でゴホゴホしやすくなる季節でもあります。ウイルスに常に触れていることはきちんとした免疫力を作るために欠かせないことですが、風邪を引く前、また引いてしまった時に体本来の力をサポートしてくれるものが身近にあると安心しますよね。今回はこれからの季節にぜひ家に欲しいエッセンシャルオイルとその使い方についてご紹介します。


ユーカリ グロブルス


ユーカリはオーストラリアを原産とするフトモモ科の樹木で、600以上の種類があるとされています。ユーカリの木はなんとオーストラリアの森林面積の約70%を占めていると言われており、先住民であるアボリジニの人たちにとってユーカリの葉は万能な植物でした。傷や火傷、熱、頭痛、マラリアなどその使用範囲は幅広かったものの、その効果が世界中に広まったのは19世以降。それ以来アロマセラピーとしては欠かすことのできないエッセンシャルオイルとして使われています。

エッセンシャルオイルとして使われるユーカリには主にユーカリ グロブルス、ユーカリ ラディアタ、そしてユーカリ レモン(シトリオドラ)の3種類があり、場面によって使い分けることができます。今回扱うのはユーカリ グロブルスというエッセンシャルオイルで、1.8-シネオールという成分を約8割含んでいることが特徴です。1.8-シネオールはすっきりとした香りの成分で、抗菌・抗ウイルス、去痰、血行促進、頭をスッキリとさせてくれる等の効果があるため、特に鼻やのどの痛み、気管支系の風邪を引いてしまった時にはとても有効なオイルなのです。

風邪を引いたら:熱湯をボウルに注ぎ、ユーカリ グロブルスのエッセンシャルオイルを2-3滴垂らして鼻と口で吸入をします。その際タオルを使って目に直接当たらないようにします。終わったらそのボウルを寝室に置いておくと香りと蒸気と共に広がり、風邪の予防にもなります。

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ティートリー



ティートリーはユーカリと同じフトモモ科に属し、オーストラリアを原産とする樹木です。ティートリーも昔から原住民の間で肌荒れ、風邪、口腔トラブルに対して使われてきた歴史の長い植物で、エッセンシャルオイルはその葉から水蒸気蒸留法で抽出されます。

ティートリーは100種類近い成分で構成されており、その主成分であるテルピネン-4-オールが約4割を占めていますが、この割合が4割に近いほど効果が高く質の良いものとされています。テルピネン-4-オール抗菌・抗ウイルスに優れているだけでなく、免疫のバランス調整や炎症を落ち着けてくれる作用も期待されます。ティートリーのエッセンシャルオイルには更に1.8-シネオールも含まれており、風邪やインフルエンザなどの対策に、また痛みや痒みを和らげるためにも適しています。日々の口腔ケアにも役立ちます

喉の痛みに:ティートリーオイルをコップ一杯の水に1-2滴垂らし、1日に2-3回うがいをしてみてください。歯磨き後に口をすすぐ際にも有効です。

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シベリアトウヒ



最後に少し珍しいエッセンシャルオイルを見ていきましょう。トウヒはマツ科に属する樹齢400年になるものもある針葉樹です。建材として多く使われる樹種としてよく知られていますが、針のような葉からとれるエッセンシャルオイルもアロマセラピーでは用いられます。シベリアトウヒはヨーロッパからロシア、アジアまで分布するトウヒの一種です。

エッセンシャルオイルはシベリアトウヒの枝・葉から水蒸気蒸留法で抽出されます。森のような爽やかな香りが特徴的で、酢酸ボルニルやピネンといったエッセンシャルオイルが含まれています。酢酸ボルニルはあまり聞きなれない成分ですが、マツやモミにも含まれており、特に呼吸器や気管支系の症状を緩和してくれる作用が期待されます。また睡眠の質を上げてくれる働きもあるため、免疫をあげることにも繋がります。

風邪を引いた時のバスタイム:ヨーロッパでは鼻や喉の風邪を引いた時には、エッセンシャルオイルを使った足湯や暖かいアロマバスがお勧めされます。蒸気と共にエッセンシャルオイルの成分を吸い込むことで、特に気管支や呼吸器の症状を癒してくれると言われています。その際にはいくつかのエッセンシャルオイルをブレンドしていきます。まず塩大さじ3を小瓶に入れ、そこにユーカリ グロブルス3滴、ティートリー3滴、セージ2滴、トウヒ1滴、シモフリマツを1滴入れて蓋をし、よく振ります。それをお風呂の場合は全部、足湯の場合は大さじ1ほどを入れてお楽しみください。

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AMPP メディカルフィトテラピスト

Elisabeth.M (プロフィールへ

 

参考文献

 

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