マリアス訪問記 Ⅱ 〜マリアスにて〜

マリアス訪問記 Ⅱ 〜マリアスにて〜

🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー 


こんにちは。
今日は前回のザルツブルクの街歩きに続く第二弾として、マリアスの訪問と創設者のマリア・ピーパーさんに伺った内容をご紹介したいと思います。

 

マリアスのショップにて

さて、ザルツブルクには新市街と旧市街があるというお話をしましたが、マリアスの新しいショップは旧市街の小道を抜けていった先にあります。ヨーロッパでは何百年も前に建てられた建造物が今もそのまま利用されており、マリアスも歴史ある建物の一角をお店として使っています。古い建物には丸みのある石やレンガが使われていることが多く、少し柔らかい印象を受けるのが特徴です。では中に入っていきましょう。


まず目に入るのが大きなテーブルに並べられた数々のケア製品。全てテスターになっていて、お客さんが実際に試し、使い心地を確かめることができます。



写真手前のまるでケーキのようなかたまりは、実はボディバター。できるだけ無駄な容器や包装を避けられるよう量り売りになっており、紙に包んでお客さんに渡します。




現在、マリアスは120を超える種類を扱っており、フェイスケア、ボディケアのメインがこの棚にずらりと並べられています。



そしてショップの奥にはヘアケアとアロマコーナーが設けられています。ここでも一人一人の好みに合わせた香り選び、また髪質に合ったシャンプーやリンスに関するアドバイスを受けることができます。



こうして一つ一つの製品をマリアさんからお話を聞きながら見ていくと、マリアスの「自然と人間との調和」という創業当時から変わらないコンセプトと「私たちをケアするものは、決して体や環境に負担のあるものであってはならない」という姿勢が成分やレシピにもあらわれていることを本当に強く感じます。「安く早く人工的に」ということが主流の世の中であっても、原産地から最高品質の素材を求め、化学物質を一切使わずできるだけ人の手で商品を生み出しているということは素晴らしいことですよね。

そして最後に、これまでマリアさんが今回こうしてお店を出し、より自然で心地の良いオーガニックケアを展開する中で感じるオーストリアでの状況や事情についてお伺いした内容もぜひご覧ください。


オーガニック認定の実情と人々の意識

オーガニック栽培という概念はヨーロッパではやや進んでいるように感じられますが、実際にその内容を見てみるとそぐわないものも多くあります。特にナチュラルコスメ、オーガニックコスメにおいては、言葉だけが独り歩きをしてしまい、私たち消費者もその真意を見落としていることがあるのです。




これはなぜ私たちがマリアスを取り扱っているのか、という理由でもありますが、EUや世界の多くの国々でナチュラルコスメやオーガニックコスメに関する基準が法律で定められていない一方で、オーストリアではそれらが「オーストリア食品基準書(ÖLMB)」に明確に定められています。ここでは特にオーガニックコスメティックに使用される植物性・動物性原料のうち、少なくとも95%が有機栽培由来であることが求められています。実はこれが最低基準であり、これに基づいてオーストリア最大の民間の有機認証機関である「オーストリアビオギャランティー」が準拠しているかどうかを検査・認証する役割を担っています。

マリアさんのお話によると、幸い老若男女問わずオーガニックに興味を持ちお店を訪れる人の数は多くなってきているとのことでしたが、オーストリアにおいてもここまで厳格な管理の下、本物のオーガニックを追求、徹底している会社やブランドは非常に少ないということを実感しました。

また、マリアスが手掛ける製品は、装飾的な美しさを施す「コスメティック」というよりは、様々な影響を受ける肌を自然の恵みで労わり、本当の美しさをサポートする「ケア」という方が合っているのかもしれません。人工的な香りや成分からは決して生まれることのない肌や体との調和、そして五感を刺激する本物の香りをぜひ多くの人に体験していただきたいなと思います。

 

AMPP メディカルフィトテラピスト

Elisabeth.M (プロフィールへ

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