
落ち着きをもたらす大地の香り ベチバー
🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー
もうすぐ梅雨の季節。雨がシトシトと降り続き、湿った空気と土の香りがふわっと広がります。この香りを嗅ぐと思い出すのがベチバー。あまり耳慣れない植物かもしれませんが、インドを中心に主にアジアを原産とするイネ科の植物で、アロマテラピーや香水では名バイプレイヤーとして度々使われています。では一体ベチバーとはどんな植物なのでしょうか。その深い香りの魅力に迫っていきましょう。
ベチバーとは
レモングラスやススキにも似た見た目のベチバー。一見特徴がないこの植物ですが、実は大地の下に伸びる根に秘密があります。ベチバーの根は洪水や干ばつにも耐えられる強いもので、熱帯の国々では土壌侵食の保護として植えることもあります。そしてその根の最大の特徴が香りです。インドの言葉ではカスカス(=香る根)とも呼ばれ、その繊維は虫よけとして敷物に使われてきました。また根に水を吸わせて扉にかけることで暑い空気を冷やし、自然な冷房としても愛用されてきたそうです。
ベチバーのエッセンシャルオイル
ベチバーのエッセンシャルオイルは、約半年ほどかけて乾燥させた根から抽出されます。これにより、獲りたての新鮮なものよりも粘性のあるより良い香りが生まれます。こうして水蒸気蒸留法によりえられたエッセンシャルオイルは、重く湿った土のような、そして少し甘みのあるウッディーな香りになり、単体の香りとしては好き嫌いが別れるものの、例えばイランイランやサンダルウッドなどの香りとブレンドすることでエキゾチックな深みのあるブレンドを生み出します。また大地のような香りは、頭を悩ませる考え事や恐怖を取り除き、落ち着きを与えてくれると言われています。そういったことからベチバーは「静寂の香り」として、特にリラックスをしたい時におすすめです。
アロマスプレーやバスタイムに
ベチバーの香りは男性用の香水によく用いられますが、しっとりとして重みがあり特に香りが長くとどまることから、他のアロマとブレンドをすることで様々な香りのコンビネーションを楽しむことができます。
アロマフィールザカラー レッド
ルームスプレーや香水としても使うことができるマリアスのアロマフィールザカラーは、情熱や活力を連想させる赤という色に合わせて、ベチバー、アラビアジャスミン、イランイランのエッセンシャルオイルがブレンドされています。ジャスミンやイランイランといったとても高貴な花の香りと混ざり合うことで、上品でありながら記憶に残る魅惑的な香りが生まれます。
ベチバーはお風呂でのリラックスタイムにもぴったりな香り。血行を促したり、肌の保湿にも役立ち、全身に心地良さをもたらします。また、心を落ち着かせてくれる香りとしてよく知られるサンダルウッドとのブレンドがストレスからの解放と、自分自身のケアの時間へと導いてくれます。
香りは私たち人間にとってとても重要な刺激の一つです。それが人工的なものでなく、自然が作り出すものあるからこそ、心や体に働きかけ、リラックスやエネルギーを与えてくれます。一日の始まりに、また終わりに、ぜひ自分の好きな香りで癒されてみてください。
AMPP メディカルフィトテラピスト
Elisabeth.M (プロフィールへ)