風邪に役立つ自然ぐすり エルダーフラワー
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🌿植物と共にある循環する暮らし・・・フィトテラピー
10月に入り、自然も少しずつ秋の装いを始めました。気温がぐっと下がることで木々の紅葉を楽しめる美しい時期ではありますが、夏の暑さによる疲れが溜まったまま急に気候が大きく変わると、体が変化に追いつかず風邪をひきやすくなることがありますよね。オーストリアでは、夏の間雨がほとんど降らず30度を超える日が続きましたが、9月後半から気温が一桁台にまで一気に下がってしまい、私自身も喉の痛みに数日程悩まされました。これから冬に向けてゆっくりと体の準備をしたいところですが、急にやってくる喉の痛みやゴホゴホ、また鼻のムズムズに対処できるように「エルダーフラワー」というハーブについて、今回のブログではご紹介したいと思います。
自然が生んだ風邪薬
5月になるとウィーンでは、街の至る所にエルダーの小さな白い花がきれいに咲きます。日本ではあまり見かけることのないエルダーフラワー(和名:セイヨウニワトコ)ですが、「エルダー」と聞くとハリーポッターに登場した最も強い魔法の杖を思い浮かべる人もいるかもしれません。ヨーロッパでは守護や健康の象徴として古くから愛されてきた植物の1つで、その花びらはハーブティーとして、またシロップとして主に風邪や生活習慣病の予防に用いられてきました。特にシロップはマスカットのような甘く心地よい香りがして、子供の風邪薬としてだけでなく家庭で一般的に飲むジュースとしても楽しまれています。
エルダーフラワーティーの成分と飲み方
エルダーフラワーティーには、エルダーの白い花びらを日光の下、またはオーブンで適当に乾燥させたものを使います。この乾燥させたエルダーフラワーの花びらにはポリフェノール、フラボノイド配糖体、粘液質、ビタミン・ミネラル等が含まれています。特にコーヒーにも含まれるクロロゲン酸(ポリフェノール)と蕎麦に含まれるルチン(フラボノイド配糖体)は発汗や利尿作用に優れることから、風邪による熱を下げるために有効とされており、「インフルエンザの特効薬」という別名もあります。毒素を体の中から出してくれるという働きにおいては、アレルギーや花粉症のシーズンにもネトルなどと混ぜて飲むのも良いとされています。また粘液質は乾いた粘膜を潤してくれるため、喉の痛みや咳を和らげてくれる効果が期待できます。
〇風邪で熱っぽい時
発汗作用のあるエルダーフラワーティーと体を冷やしてくれるペパーミントティーをブレンドします。小さじ1:1で混ぜ、200mlの熱湯を注ぎ5-10分蒸らします。1日2-3回飲むのがお勧めです。
〇喉が痛い・咳の出る時
喉の痛みや咳が続く時には粘膜を潤してくれるハーブティーをブレンドします。エルダーフラワーティーとコモンマロウティー、エルダーフラワーティーとリンデンティー、または3種類全部混ぜても良いでしょう。小さじ1/2ずつに対して熱湯を150-200mlほど注ぎ、5-10分蒸らしてから飲みます。1日2-3回飲むのがお勧めです。
〇花粉症やアレルギーの時
春や秋の花粉やアレルギーには、エルダーフラワーティーとネトルティーをブレンドしてみましょう。ネトルには浄血、利尿作用があるため、エルダーフラワーティーとブレンドすると相乗効果が上がり、アレルギー症状の緩和に働きかけます。小さじ1:1で混ぜ、200mlの熱湯を注ぎ5-10分蒸らして飲みます。
※ネトルは強い成分が含まれるハーブです。1か月以上飲み続けないようにしてください。
🌿エルダーフラワーを含むSONNENTORのハーブティー
・バランスのお茶 等
AMPP メディカルフィトテラピスト
Elisabeth.M (プロフィールへ)